旧東明駅
北海道美唄市~美唄鉄道で唯一残る駅舎
掲載日2024年12月
(撮影取材日2019年10月)
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北海道美唄市の旧東明駅を取材しています。
東明駅は三菱鉱業美唄鉄道の中の駅でした。
三菱鉱業美唄鉄道は、函館本線の美唄駅から常盤台駅までの10.6キロメートルを結ぶ、炭鉱のための鉄道でした。
10.6キロメートルの中に、接続駅となる美唄駅を含めて6つの駅がありました(信号場を除く)。
貨車を40両もけんいんすることがある美唄鉄道は、石炭輸送のための鉄道として活躍をしていました。
1914年に石炭輸送目的で開業しましたが、1972年に三菱美唄炭鉱は閉山しました。同年6月に美唄鉄道は廃線となっています。
函館本線の美唄駅は現在も営業していますが、そこから接続されていた駅は廃止となっています。
その廃止となった駅の中で、駅舎が残っているのは、唯一この東明駅です。
上の写真は、東明駅跡の中に残っている駅舎の様子です。
曇り空の天気の中で、駅舎はカラフル感を持っていました。
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東明駅舎に少し近づいたところから撮影。
窓の下に支えがあります。
けっこう老朽化しているようです。
廃線から50年以上が経過しています。
東明駅は1948年に開業しています。
木造平屋建ての駅舎です。
駅周辺は当初農村でしたが、炭鉱の発展により炭鉱住宅地となりました。
そのため東明駅は人を乗降させるための駅として開業しました。
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東明駅舎の出入口付近に近づいたところです。
出入口も、駅の窓も閉められています。
自転車の駐輪場もありますが、東明駅はフットパスの目的地の1つになっています。
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駅舎の横側へ移動したところです。
年月が経過し、荒れているようでそれほど荒れていません。
清掃等が保存会によりされているためです。
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駅舎の反対側、かつてのホーム側にまわってきたところです。
ホーム側には改札口が置かれています。
コンロなどが置かれていましたが、なにかしらのイベントの予定があるのでしょうか。
サイクリングターミナルという名のついた小屋もあります。
廃線跡はサイクリングロードとして再利用されていました。
「されていました」というのは、取材時においてサイクリングロードは通行が禁止されていたからです。
なお、ここの廃線跡のサイクリングロードは廃止されたようですが、東明駅を含む美唄市内を走るサイクリングロードは存在しています。
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東明駅の敷地内には、かつて活躍をした蒸気機関車が展示されています。
上の写真はその蒸気機関車です。
燃料となる石炭をけんいんするテンダー式ではありません。
蒸気機関車本体に水と石炭を積載するタンク式です。
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その蒸気機関車に近づいたところです。
前の方から撮影しています。
これは4110形式十輪連結タンク機関車2号です。
1919年11月に三菱造船株式会社神戸造船所で製造されました。
旧国鉄がドイツから輸入した4110形が原形で、それをもとにして製造された国産の蒸気機関車です。
勾配のきつい美唄鉄道のために、急勾配用として製造された特別仕様車です。
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4110形タンク機関車を横側から撮影したところです。
運転席まで階段が設置されていますが、運転席の中に入ることはできませんでした。
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駅舎と4110形タンク機関車から、少し離れたところです。
廃線跡を利用した旧サイクリングロードのそばに、かつてのホームの跡がありました。
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旧サイクリングロードの路面は荒れている感じです。
取材時は廃止となっているので当然ですが、ふつうに熊も出てきそうな感じです。
そこに東明駅の長いホーム跡が残っていました。
東明駅は、日本遺産である―北の産業革命「炭鉄港」―の、構成文化財の1つにもなっています。
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